米国の製鉄会社USスチールと、日本の製鉄会社の日本製鉄の買収失敗が話題です。
この件について、わかりやすく解説してみました。
この記事では、USスチールと日本製鉄で起きた買収失敗のなぜ?の部分がわかります。
疑問点(なぜ)箇所
- USスチールと日本製鉄の買収失敗はなぜ起きたのか?
- USスチールと日本製鉄は今後どうなっていくのか?
- USスチールと日本製鉄は潰れてしまう可能性はあるのか?
- バイデン大統領はなぜ買収失敗をさせたのか?
それでは、いってみましょう。
USスチールと日本製鉄の買収失敗をわかりやすく解説
USスチールと日本製鉄の買収失敗の経緯を、時系列でわかりやすくまとめてみました。
- 米国の鋼鉄企業『USスチール』が低迷
※新しい所有者からの投資がなければ工場閉鎖に追い込まれるかもしれないと警告 - 数ヶ月による買い手探しから、2023年12月に『日本製鉄』が買収に名乗りをあげる
買収額は149億ドル(約2兆3400億円)と発表 - バイデン大統領はこの買収に反対の見解を示す
※因みに、次期大統領のトランプ氏も反対の姿勢 - 対米外国投資委員会(CFIUS)は、この取引について12月末の期限までに合意できず、決定はバイデン大統領に委ねられた
※対米外国投資委員会(CFIUS)とは、国家安全保障上のリスクを審査するために設置された機関 - バイデン大統領の判断は、変わらず反対側なのでUSスチールと日本製鉄の買収失敗
- 原則30日以内に「買収計画を完全かつ永久に放棄するために必要な全ての措置」を講じるよう両社に命じた。
2025年2月上旬が期限 - USスチールと日本製鉄は買収を成功させるために、米政府に対して訴訟
っていうのが、大まかな流れです。
まとめてみると、まず気になったのがUSスチールと日本製鉄の買収をバイデン大統領はめちゃくちゃ反対してるってことです。
ついでに言えば、次期大統領のトランプ氏も反対してるとのこと。
なぜそんなに反対されているのか?について調査しました。
バイデン大統領はUSスチールと日本製鉄の買収になぜ反対したのか?
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バイデン大統領の意見は、下記のものになります。
「国内所有・運営による強力な鉄鋼業界は、国家安全保障の重要な優先事項であり、強靭なサプライチェーン(供給網)にとって不可欠だ」
「なぜなら、鉄鋼は我が国のインフラ、自動車産業、防衛産業基盤を支えるものだからだ。国内の鉄鋼生産と鉄鋼労働者がいなければ、我が国は今より強くも安全でもなくなる」
バイデン米大統領、日本製鉄のUSスチール買収計画を阻止 安全保障上のリスクがあると - BBCニュース
なんだか難しい言葉で、意見を述べていますが…
わかりやすくすると、バイデン大統領は重要だと思っているポイントが2つありそうです。
1つ目が、自国の鉄鋼は自国でまかなっていくべき。
2つ目が、鉄鋼という原材料を安定させること。
そうすれば、経済の発展や労働者への確保ができるようになるって考えた方だと思います。
もしUSスチールが、日本製鉄に買収されたのなら米国で生産された鉄鋼なのに、米国へ安定的な供給が叶わなくなるかもしれない。
今までのUSスチールの労働者がリストラ対象になるかもしれない。
このような点を警戒して、バイデン大統領はUSスチールと日本製鉄の買収を反対したのでしょう。
買収失敗でUSスチールと日本製鉄は今後どうなる?
現状では、今後どうなっていくのか?についてわかっている情報は、なんとか2社の買収契約を結ぶために動いています。
具体的な動きとしては、米政府を訴訟してます。
ただ、この提訴以外に打つ手は見当たらなのが現状です。
なんとか事態打開したいのですが…そのハードルは非常に高いとのことです。
唯一の希望の光があるとしたら、バイデン大統領が2025年1月20日に、大統領を退任します。
そこから、新たに大統領になるのがトランプ氏です。
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トランプ氏も前述したように、USスチールと日本製鉄の買収には、反対の見解を示してはいますが。
より良い取引を自分が交渉して実現したのだとトランプ氏が主張できるような、別条件を提示する可能性がある
バイデン大統領では、なしえなかったことをトランプ氏は出来たなんてなれば、世間はトランプ氏は有能なんだっとなりますよね。
この流れをやる可能性は、十分にあり得るのではないでしょうか。
買収失敗によってUSスチールはまた買い手を探さなくてはならない
買収失敗によってUSスチールは、米国内で自社を買ってくれる企業を探さなくてはなりません。
そもそも、USスチールの現状は低迷してます。
そこで、救いの手を差し伸べてくれた日本製鉄と、買収できないとなれば。
新たにUSスチールを買ってくれる会社を、探さなくてはなりませんよね。
今回の買収失敗の件が、あるので米国以外の国への買収は、ハードルがめちゃくちゃ高くなってます。
ですので、米国の企業って条件付きで、探すことになるでしょう。
買収失敗によって日本製鉄はUSスチールへ違約金800億円を支払う
なんとも気の毒なんですが…
契約上、2025年の6月までに買収の契約が結べなかった日本製鉄はUSスチールに違約金5億6500万ドル(約890億円)を支払うようになってます。
USスチールと日本製鉄の2社間では、同意してるのに、第三者によって、邪魔が入った場合も含まれるんですね。
辛い状況ですよね。
約890億円もの大金を、タダであげるわけですから。
何としても、買収を成功させたい気持ちになると思います。
買収失敗でUSスチールと日本製鉄は潰れるのか?
現状、この2社が潰れるのかどうかはわかりません。
ただ厳しい状況なのは、間違いないでしょう。
USスチールは何度も述べていますが、現状の景気はよくありません。
ただ、USスチールはアメリカを代表する大企業ですので、いきなり潰れるなんてことは、起きづらいのではないでしょうか。
日本製鉄は、違約金890億円を支払いますが…
合意の上での違約金額となっているはずですので、会社が潰れるほど傾くかと言えば、そこまでではないかなと。
日米間で過去に起きた違約金の例
日米間の違約金の歴史を紐解くと、実は過去にも似たような事例が存在しました。
事件のあらましは、下記のものです。
東芝は、米国で同社製のノートPCに関してユーザーから米テキサス州連邦裁判所に提訴されていた集団訴訟において、和解することで仮承認を受けたことを発表した。今後、裁判所の最終承認を得て正式に和解が成立する。この訴訟は、'99年3月に訴えられていたもの。
同社製ノートPCに搭載しているフロッピーディスク制御IC(FDC~Floppy-Disk Controller)のマイクロコードに不具合があり、書き込みエラーによりデータを破壊する可能性があるとして、保証違反などを理由に損害賠償などを求められていた。東芝は、FDCに制約があることは認めていたが、そのことが原因でデータが破壊されることはなく、現在までに1件も苦情の報告がないとして、争っていた。
しかし、米国では実際に被害が発生していなくても、その可能性があれば法的救済が求められる考え方があるほか、集団訴訟の陪審裁判では巨額の損害賠償の評決が下る可能性も高い。同社では「経営に重大な影響を及ばす事態を避けるため、想定されるリスクを慎重に検討した結果、裁判上の和解で解決することにした」としている。ただし、今回の和解はあくまで経営上の判断で、「当社の法的責任やパソコンの性能に問題があることを認めたものではない」と述べている。
東芝、米国のFDCに関する訴訟で和解、和解費用1,100億円
長いので、要約すると。
東芝製のPCに、データを破壊する可能性があるじゃないの?とアメリカのユーザーが提訴。
東芝側は、確かにそこら辺に制約あるけど…それが原因でデータが破壊された事例ないっと反論。
しかし、アメリカは被害出てなくても、危ないものは危ない!損害賠償しなさい!っとなった。って感じです。
その損害賠償額は、
和解契約に関する費用は1,100億円
とのこと。
このお金を捻出するために、東芝は有価証券などを売却し、売却益500億円を特別利益に計上。'99年度の単独の業績予想は350億円下方修正し、650億円の赤字となる。
起きるかもしれないことに対して、お金を払った。
状況は少し異なりますが…
無償でお金を払った事実は、同じですね。
ヤフーのコメントにはこのようなものがあります。
こうやって日本企業から890億円もむしり取ろうとしています。 以前、東芝も1100億円むしり取られました。
無茶苦茶ですよ。
以上が、『【USスチール買収】どうなるのかわかりやすく解説!買収失敗の疑問点(なぜ)を調査』って話でした。
今後どうなっていくのかについては、現状の2社がアメリカ政府へ起こした訴訟がカギになりますし。
バイデン大統領が2025年1月20日に退任し、トランプ氏が就任しこの問題をどう対処するかにかかってくるのかなと。
これから、どう展開していくのか目が離せませんね。
何か情報が入り次第、追記したいと思います。